良部島美大島在住奄 在住永沖 水元 佑さん 「普段の暮らしの中では知り得なかったことをこのプログラムで学び、自然を活かし、守り、地域を潤せるような新たなる事業を考える知識を得たい」とは、まさにこの教育プログラムが提供したい機会であり、教育プログラムの目的です。 「環境文化の中心には自分がいること自覚する」ことも受け止めて頂きありがとうございます。環境文化の中心に自分がいることを自覚しないと、発想や考え方が第三者的で、時に上から目線になってしまいがちです。土着的な暮らしに根ざし、現実の様々なしがらみの中で考えていくことが大事ですし、同時にその中に埋没して考えるのではなく、距離を置いて多角的に眺めたり、モニター(観察・監視・点検)していける学びをぜひ続けてください。 「奄美の象徴」は、時に人為的にシンボルとして創作されることもあると思います。島・シマの個性を把握するためには、その土地の自然・地理を読み、風土に根ざした人々の暮らしとその移り変わり、すなわち歴史を深く理解することが必要だと思います。その過程で発見された確かな手ごたえの中に個性が宿り、磨くことでシンボルになっていくのではないでしょうか。 また、新たな利益を生むためには、新たな価値の創出が必要であり、ビジネス手法という別の知識や経験が必要でしょう。仲間を増やしながら、道を切り開いていけるとよいですね。 人間は、自然から生きる糧を得ているわけで、問題の核心は、自然を犠牲にするかしないかの二項対立ではないはずです。島民が幸せに生きていくために何が必要かという共通目標に対して、何を選択していくかの対話が大事ですね。 ところで、環境文化は、経済活動の維持と対立する考え方ではありません。むしろ、経済活動と自然環境保護の折り合いのつけ方が、環境文化だと思います。ですので、過去の先人たちの暮らしと自然のかかわりの思想や知恵に学び、現代の知性(科学・技術)も加味しながら、現代流の環境文化を創造していくことが必要になります。初めての講義はいかがでしたか。次にの二つの設問に答えて下さい。(1)講義を通して大事なメッセージとして受け止めたことは何ですか。(2)あなたにとって今回の教育プログラムで探究したい「答えのないこと」は何ですか。ほかにご質問、ご感想などがあれば、ご自由にお書きください。R.3年 | 科目101 |奄美の環境文化入門小栗初めての講義はいかがでしたか。次にの二つの設問に答えて下さい。(1)講義を通して大事なメッセージとして受け止めたことは何ですか。(2)あなたにとって今回の教育プログラムで探究したい「答えのないこと」は何ですか。ほかにご質問、ご感想などがあれば、ご自由にお書きください。R.3年 | 科目101 |奄美の環境文化入門水嶋 健さん小栗(1)自然破壊、住環境の悪化、人々の地域での弱体化があっては意味がないこと、奄美の自然と深く付き合い、奄美での暮らしを持続すること、目指すことが大事。 自然と折り合いをつけながら奄美での豊かな暮らしをする。欲をかいてるようにも思えるが、深く考え、目指すことで古来から奄美で行われてきた「共生と循環」を守り、伝えていくことはできないのではないかと考えた。 普段の暮らしの中では知り得なかったことをこのプログラムで学び、自然を活かし、守り、地域を潤せるような新たなる事業を考える知識を得たい。それにはこれまで島で暮らしてきた人々の知識や経験が大事で、それを否定したりしてはいけないこと、記憶を聞くこと。 今の世間、自分の価値観だけで判断せず、視野を広くもって観察したい。 その前提で環境文化の中心には自分がいること自覚することが良いと考える。(2)奄美の象徴って沢山あるけど何かと聞かれたら答えに悩みます。ましてや新たな利益が生まれる自然と共生する事業って答えは難しそうです。(1)「現代の価値観で過去を批判しない」という話を受けて、これからの講義で得る知識や姿勢を、いつの時代はもちろん、「誰にとっても正解だとは思わないこと」「その上で次の世代へ情報を継いでいくこと」だと思いました。 私が住む沖永良部島は、奄美群島の中でも農業が盛んであることから、畑を耕すために少なからず自然を犠牲にしていた面があります。そのため、自然を魅力的に感じてやってきた移住者を中心に、その行為に対する批判をしばしば見る機会がありました。しかしこの島に新たな生活者を受け入れられる社会が存在することと、自然を犠牲にしていること、その2つは切り離せない関係にあり、その批判をもどかしく感じています。 その時代、またその国における正しさとは、移り変わるものだと考えています。これから学び、実践することが、どれだけの配慮と努力を費やしても、誰にとっても正解だとは限らない。たとえ正解があったとしても、5年後10年後も正しいとは限らない。そうした、「思い込まない柔軟性」を以て、受講に臨みたいと思いました。(2)アイデアで、環境文化と経済活動の維持の両立を実現することです。 自然環境保護のためには、人の生活を過去に退行させる必要があるという話を最近聞くようになりました。ただ、一度便利を知った人間がそれを手放せるのかというと難しいと感じています。たとえばそれがかっこいいだとか、立派だとか、承認欲求につなげて推し進めることも不可能ではないかもしれませんが、物質的な利便性を取る人が大多数であろうなと。 そこで科学技術の革新によって利便性を損なわずに自然環境保全を行える方法もある・出てくると思いますが、自分自身がアイデアや企画を仕事にしている人間なので、果たすべき役割を考えたときに、まだ誰も見つけていない、実践していないアプローチをとる。そのための環境文化についての知識をこのプログラムで得させていただきたいです。21
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