奄美<環境文化>教育プログラムのしおり
37/62

トラバーチンとは大理石の一種ですが、琉球石灰岩で非常に硬化が進み、緻密なものは、切断、研磨すると、トラバーチンと酷似した石質を呈するので、「琉球トラバーチン」と呼ばれて、建築用石材等に使われてきました。しかし、大型材の確保が難しいため、現在では琉球トラバーチンの需要はほとんどなくなっています。沖永良部島の墓の敷地は驚くほど広いです。百聞は一見に如かず、墓を見学して、その広さにみんなで驚きます。沖永良部島では、正月に迎えた先祖を1月16日に墓で送る「墓正月」が行われています。家族・親族が墓に集まるので、宴席ができるように墓前に広い空間を持っています。家族は死後も深い交わりが何代にもわたり続いていくのです。そんな精神世界を、わたしたちも敬虔な想いで学びます。墓正月は、新生活運動等により簡略化された集落が多くなりましたが、知名町田皆・瀬利覚、和泊町国頭の3集落は、現在も盛大に行われています。1969年に火葬場が建設され、土葬から火葬に変わりはじめると、「墓正月」と呼ばれるようになりました(いつ登場したのか不明)。okinoerabu-jima田皆岬トラバーチン採石場跡(知名町大字田皆)知名町田皆集落の墓(知名町大字田皆)35

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る