表流水がほとんどない「台地の島」の生活用水の現場をたずねます。喜界島では、琉球石灰岩層の下層に「島尻層群」という泥岩・砂岩層の基盤層があり、不透水層となっています。そのため、石灰岩に浸透した雨水は、この島尻層群に沿って地下移動し、段丘崖等の部分から地表に湧出しています。喜界島には、このような湧水点が100箇所近くあり、そのいくつかを実習でたずね歩きます。同じ琉球石灰岩の「台地の島」でも、それぞれに生活用水の利用形態があることを発見する瞬間です。喜界島と沖永良部島には、この地下水系を利用した地下ダムが造られていて、環境文化の知恵は現代も暮らしに活かされていることに気づかされます。百之台公園(喜界町大字嘉鈍)段丘の崖からの湧水(喜界町大字滝川)36kikai-jimakikai-jima喜界島喜界島で一番高い場所をたずねます。喜界島の石灰岩台地は、4段の段丘から構成されていて、最高標高203mとなる最上位の段丘面が「百之台」と呼ばれる約700haの台地です。この百之台は、喜界島の東側にあり、比高差が100m以上ある段丘崖が続く眺望のよい場所です。ここから段丘地形を観察し、喜界島の地形、地史を学びます。隆起サンゴ礁の台地の島は平坦なので、畑総事業の進捗率は90%を超え、沖永良部島と並んで農業が盛んな島です。
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