台地の島では、地形が平坦なので、畑総事業が進められ、見渡すかぎりサトウキビが広がります。しかし、段丘崖にはわずかな森も残されています。「蝶道」(喜界島には手のひらほどの大きさがある蝶「オオゴマダラ」が生息している)を散策したり、手久津久のガジュマルの巨木を見学したり、ハブがいない森に分け入り、台地の島の自然を観察、体感します。奄美群島にはどの島にもガジュマルの巨木がありますが、地元のみなさんは「日本一」ではないかと謳われるのがおもしろいです。環境文化型国立公園の指定区域である阿伝集落をたずねて、環境文化型国立公園として指定された集落景観を学びます。日本復帰以降、車が通れるように道路拡張等が行われたりして、島内のサンゴ石垣の多くがブロック塀に変わっていきましたが、阿伝集落には石工が複数名いたことや、台風被害に対する石垣の効力を集落でよく共有していたこと等があり、現在まで石垣の保全に繋がっています。阿伝集落の石垣保存に対するシマの想いに触れます。喜界島には、シマ歩きガイド「よんよ〜り喜界島」という住民ガイドグループがあり、実習の際には阿伝集落出身者のみなさんに案内していただきました。各島にあるシマ歩きガイドの中でも、住民主体なので生活空間にも配慮された細やかなガイドが特徴であり、環境文化観光のあり方についても学ぶべき点が多くあります。kikai-jima37段丘の森と海岸(喜界町大字手久津久)集落の石垣(喜界町大字阿伝)
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