自然環境と人類との関係を人間形成と教育の観点から考えようとしています。世界的にみるとWild Pedagogies(野生の教育学)という研究分野がありますが、近年はそれらの研究視点から奄美群島を考えるとどのようなことがいえるのか奄美の独自性を日々探究しています。実践的には人間の生涯にわたる学習基盤整備・保障の視点から大学が地域と一緒にできることとはなにかを模索し、取り組みをつづけています。 奄美群島の環境文化について、歴史学的視点から国家境界領域に着目して、奄美の歴史の独自性を考え、また島々で集積されてきた生活知識と暮らしの体系を季節的なモノグラフとして描き出し、それぞれの風土(terroir)を言語化することに挑戦しています。その生活の舞台となるシマ(集落)で醸成される人間関係とウェルビーイングには、現代日本社会のモデルになるものとして熱いまなざしを寄せています。鹿児島大学 法文学部 法経社会学科 准教授奄美市教育委員会・元奄美市立奄美博物館長小栗 有子高梨 修ナビゲーター
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