奄美<環境文化>教育プログラムのしおり
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実習では、それぞれの島の生活用水の利用形態を確認するようにしています。徳之島の東海岸に面した母間集落は、井之川岳に源流を持つ小河川が幾筋も貫流していて、生活用水として人びとに利用されてきました。集落を散策して、そうした現場を見学していきます。一方で、母間集落では、その河川による浸食谷が、井之川岳一帯に生息しているアマミノクロウサギの移動経路ともなり、集落背後の畑地では農作物の食害や、農道ではロードキルが多発する等の難題も生じています。絶滅の危機から増加に転じはじめたアマミノクロウサギですが、限られた空間の中で共生していくためにさらなる知恵が求められています。石灰岩台地を河川が貫流し、深い渓谷を形成する南西諸島の中でも特異な自然景観を、「秋利神大橋」から実際に見学してもらいます。徳之島は、中央部に高い山地が発達していますが、周囲は石灰岩台地に囲まれているために、河川が石灰岩台地を切り裂くような谷地形が形成されています。石灰岩台地を伴う「山の島」は、南西諸島でも久米島や石垣島等、僅かしかみられませんが、さらに大型河川が石灰岩台地を侵食して深い谷地形を成す景観は、徳之島の特徴的なものです。写真奥にみえる「秋利神大橋」は川から約80mの高さがあります。tokuno-shima秋利神川(天城町大字西阿木名)川とともにある暮らし(徳之島町大字母間)tokuno-shima徳之島39

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