奄美<環境文化>教育プログラムのしおり
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実習で宇検村を訪れる際も、車中の移動時間が長くなります。その時も、地形のロケーションを車中から確認していきます。焼内湾は、奄美大島で最も長く湾入した内湾で、リアス式海岸が発達しています。そのため海岸から急深となる地形となり、サンゴ礁地形は湾内ではほとんど認められません。波が穏やかな内湾の環境を利用して養殖漁業が盛んに行われていて、他の島では見られない産業景観となっています。養殖漁業は、林業に代わる宇検村の新たな基幹産業に成長しつつあります。今では、奄美大島でほとんど見ることができなくなってしまった水田が残る龍郷町秋名集落をたずねます。1970年代に進められた国の減反政策により、日本復帰後の奄美群島では、水田がサトウキビ畑に転換され、ほとんどみられなくなってしまいました。奄美空港の周辺一帯に広がるサトウキビ畑も、かつては水田地帯でした。国指定無形民俗文化財「秋名のアラセツ行事」で稲魂を招く「ショチョガマ」と「ヒラセマンカイ」の神事がそれぞれ行われているためか、秋名集落では水田耕作が今日まで残されて営まれています。近年は水田でマコモ栽培も行われ、水田景観維持の一助となっています。amami-oshimaリアス式海岸が発達した焼内湾(宇検村)水田地帯(龍郷町大字秋名)43

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