住用町市の枕踊り喜界町志戸桶の植物利用龍郷町秋名・幾里のヒアリング 奄美群島の5つの島で実施した環境文化実習は、座学の講義で習得した〈環境文化〉に関する学知(学際的な知識/科学知)を実際に島に訪れて、身体感覚をもって確認することをねらいにしました。奄美の〈環境文化〉は、各島々の自然地理や歴史特性と不可分な関係にあり、環境文化の創造の担い手は過去に生きた者も含む島民です。そのため奄美の〈環境文化〉を理解するためには、学知のような形式知ではない土着知、つまり、人々の記憶や身体の中にある暗黙知や身体知として存在する生活に根ざした実践知に直に触れる必要がありました。特に重視したのが目に見えない世界である島民の心性に接することです。 また、本プログラムの受講者の年齢層が比較的若く、かつ、本土や都市生活に慣れ親しんでいる層が多くみられたため、環境文化を育んできた/いるシマのお年寄りとの出会いや生活文化体験をプログラムに組み込むことを重視しました。 プログラム開発にあたっては、以下の点を網羅できるように留意しました。46■ 各島島々の自然の地理特性と歴史を知る■ 生きた環境文化を体験する (その土地にある自然物を採取・加工・使用する暮らし、 その土地が育んできた伝統行事)■ 人と出会う(想いを知る)■ 想いや考え・学びを共有する過去と現在に学ぶヒト・モノ・コトの記憶継承と「人との出来事体験」
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